Q 糖尿病をほうっておくとどうなるのですか?  −急性合併症−          

A  糖尿病は、緩やかに起こってくる慢性的な病気と思われがちですが、急激な症状を示して、命にかかわる急性の合併症を起こすことがあります。その中でも代表的なものが糖尿病昏睡感染症です。

 
 糖尿病昏睡は、急激に高度のインスリン作用不足がおこり、著しい高血糖(250mg/dl から1,000mg/dl 以上になることもあり)と脱水、意識障害(昏睡)を起こす状態で、すぐに適切な治療を受けないと生命にかかわります。心身のストレスや、清涼飲料水を大量に飲んだあとに発病することも少なくありません。

 若い人に1型糖尿病がはじめて発病するときや、いままで糖尿病の診断を受けていない高齢の人が、感染症や薬剤をきっかけに突然起こすこともありますので、注意が必要です。

大きく分けて、血液が酸性に傾くケトアシドーシス昏睡と、高血糖のために血液の浸透圧が高くなる高血糖高浸透圧昏睡のタイプがあります。


1.ケトアシドーシス昏睡:30歳以下の若年者、1型糖尿病患者に多い。血液のpHが酸性(7.3未満)。

2.高血糖高浸透圧昏睡:高齢者、2型糖尿病患者に多い。著しい高血糖と、高い血液の浸透圧。


いずれの場合も、緊急の入院と集中治療を要する、きわめて危険な状態です。


 糖尿病患者は感染症にかかりやすいことが知られています。血糖値が高いこと自体が細菌やウイルスに対する抵抗力を弱めることに加えて、感染症を起こすと糖尿病が悪化して血糖値がさらに上昇する、という悪循環になりがちです。

 肺炎、膀胱炎、帯状疱疹などの一般的な感染症に加えて、最近では糖尿病患者に発生する肺結核が大きな問題になっています。肺結核患者の約15%に糖尿病を合併するといわれます。

 糖尿病の患者が感染症を起こした場合、ふだんインスリン治療を受けていない人が一時的にインスリンを必要とすることは少なくありません。

 このほか、糖尿病に比較的特有な感染症として、以下のようなものがあります。

悪性外耳道炎・・・進行すると髄膜炎、脳炎になることがある。
鼻脳ムコール症・・・鼻粘膜から脳に至る真菌(カビ)感染症です。
気腫性胆のう炎、気腫性腎盂腎炎、壊死性蜂窩織炎・筋膜炎・・・おもに嫌気性菌によるもので、致死率がきわめて高い疾患です。


 これらの急性合併症は糖尿病を適切に治療、コントロールすることにより予防できます。
その意味でも定期健康診断などを通じて糖尿病を早期発見、治療することが重要です。








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