Q ”適度の飲酒は心不全を防ぐ”・・・アメリカでの研究

A 以前から、適量のアルコールが心筋梗塞や脳卒中のリスクを減らす、という論文が数多く発表されてきました。(Q&A 赤ワインが健康にいいって、本当ですか? もご覧ください。)

2006年6月にワシントン大学(シアトル)のクリス・ブライソン氏により発表された論文には、適量のアルコールが、うっ血性心不全が新たに発生するリスクを低下させる、ということが述べられています。 (J Am Coll Cardiol 2006; 48: 305-311)

この研究では、65歳以上の高齢者5888人の健康状態を7年から10年にわたって調べています。

当初から心不全があった人たちを除外した残り5595人のうち、1056人が観察期間中に心不全を発症しています。

これらの人たちを、飲酒の習慣のあるなしで分類してみると、以下のようなことがわかりました。


アルコールを全く飲まない人に比べて、週に1-6杯のアルコールを飲む人では約18%、
                      週に7-13杯のアルコールを飲む人では約34%、

                       心不全発症のリスクが低下していました。


興味深いことに、以前から知られているアルコールの心筋梗塞を予防する効果を差し引いても、この心不全を予防する効果は残りました。

つまり、心筋梗塞を予防すること以外に、適量のアルコールは心臓を保護し、心不全の発症を防ぐ作用を持っていると考えられます。

このメカニズムが何であるかは,現時点ではわかっていません。

このような予防効果が得られるのは、あくまでも週に13杯以下、1日あたりでいうと2杯までの、少量から中等量のアルコールを飲んだ場合です。これ以上大量に飲んだ場合は悪影響のほうが上回ってしまいますのでご注意ください。特に女性ではアルコールによる害が出やすいので、量が度を過ぎないようにくれぐれもご注意ください。

この研究での、1日あたり1-2杯という「適量」の基準は、AHA(アメリカ心臓協会)の勧告、Wine and Your Heart (2001) で述べられている量とも一致しています。

食事と一緒にほんの少し楽しむ、というくらいの飲み方が一番健康的ですね。








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