Q コレステロールを下げるお薬をずっと飲んでいても大丈夫ですか?

A
 
コレステロールが高いとはわかっているのだけれども、薬は飲みたくない、という方は少なくありません。

これはもっともな事です。もし必要ないのであれば、薬に頼らず、食事内容や運動などの生活習慣の改善で治療したほうがいいですね。

しかし問題は、食事、運動療法を一所懸命に行っても、なおかつコレステロール値が高い人の場合です。

この場合、われわれ内科医は薬物治療をお勧めします。また、高血圧の治療と同様、このお薬は長く飲んでいただくことになります。なぜなら、高脂血症そのものが治るわけではなく、薬を飲んで、血液の中に薬が存在するときだけコレステロール値が改善されるに過ぎないからです。

そこで、冒頭の疑問が生じるわけですね。ひとつの薬をずっと飲み続けて大丈夫なのか?ということです。

下のグラフは、スコットランド西部で行われた研究のものです。アメリカのきわめて権威ある医学誌(New England Journal of Medicine)に掲載されました。

コレステロール値の高い男性を対象として、コレステロールを下げる薬(プラバスタチン)とプラセボ(偽薬)を服用した患者さんそれぞれ約3300人を平均約5年間観察しました。

その結果、心筋梗塞の発生率は、コレステロールを下げる薬を服用した人たちのほうが約31%低かったのです。



薬物治療によって心筋梗塞の危険が減少するということが明らかになりました。

それでは、他の病気についてはどうでしょうか?

コレステロールの薬を長く飲んだために、他の病気が増えるということはないのでしょうか?

下のグラフは、同じ研究で両方のグループの総死亡(原因を問わず、死亡する率)を比較したものです。

やはりコレステロールの薬(プラバスタチン)を服用した人たちのほうが22%死亡率が低下しています。



薬物治療によって死亡率(あらゆる原因を含む)が低下するということがわかりました。

また、今までにコレステロールを下げる薬によって、がん等のほかの病気が増えた、という明らかなエビデンス(科学的根拠)はありません。

これらの大規模研究から得られたエビデンスの積み重ねがあるから、われわれ医師は自信をもって患者さんに薬物治療をお勧めできるのです。





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