Q 血圧の薬を一度飲み始めると、ずっとやめられなくなると聞きましたが?

A これは、意外に多くの人が心配に思っていらっしゃることのようです。
一度高血圧の治療を始めて、途中でやめると何かもっと悪いことがおこるのではないか? という不安ですね。
結論から申し上げますと、降圧薬(血圧の薬)をやめた場合、飲み始める前の状態に戻るだけです。やめられなくなる…(習慣性、依存性)のようなことはありません。
ただし、β遮断薬(テノーミン、セロケン、インデラルなど)のように、急にやめるより、徐々に減量してからやめることが望ましいお薬はあります。

では、まずなぜ高血圧の薬を飲むのか?という点に戻りましょう。

下の図を見てみてください。血圧が高いほど脳卒中の危険が高い、という関係が明らかです。

高血圧の患者さんが治療によって正常血圧の範囲に戻ると、この危険を低下させることができます。
これは、心筋梗塞、心不全、腎不全などについても同じことです。







高血圧を治療すると心血管病の危険を減らせる、というエビデンス(科学的根拠)も次々に出てきています。
Collins らによれば、利尿薬とβ遮断薬で治療を受けた患者さんの群では、対照群に比べて脳卒中が42%、心筋梗塞は14%減ることが明らかになっています。(Lancet 1990; 335: 827-838)


高血圧の患者さんにとって、降圧薬を服用することは、脳卒中や心筋梗塞を予防するための、効果が確実に証明された方法です。その点では、効果が実証されていないいわゆる健康食品のようなものを摂るよりも、患者さんにとっての利益はずっと大きいといえます。

しかし、残念ながら、高血圧のお薬は高血圧という病気そのものを根本から治すことはできません。薬が体の中に存在するときだけ、血圧を下げる働きをします。そのため、お薬による治療が必要と判断された患者さんは、長く治療を続けることが多いのです。


”ずっとやめられなくなる”ではなくて、”長く続けることによってずっと健康を守ってくれる”というふうに考えてみてください。






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