Q 地中海ダイエット、ライフスタイルと10年間の死亡率の関係
     <JAMA論文>について。


A 食事のパターンとライフスタイルの違いが、どのように死亡率に影響するかを調べた大規模前向き研究が、2004年9月、JAMA(The Journal of American Medical Association, アメリカ医学会誌)に発表されました。(JAMA 292, 1433-1439, 2004)

 
ヨーロッパ11カ国で、70-90歳の健康な男性1507名、女性832名を対象に食事の内容を調べました。地中海ダイエットを構成する8つの項目(穀物、果物、野菜、ナッツと豆、魚介類を多く摂取、肉と乳製品を少なく摂取、脂質のバランス)をスコア化し、研究に参加した人たちを地中海ダイエット群と対照群に分けています。

その他、

少ー中等量のアルコール摂取、
運動すること、
喫煙しないこと


についても、死亡率に対する影響が検討されています。

1988年から2000年までの観察期間中に、935人が亡くなりました。その中で371人は心血管病、233人は癌、145人がそのほかの原因による死亡です。

原因を問わない死亡率(総死亡率)に対する影響をみると、

1.地中海ダイエット・・・23%
2.少ー中等量のアルコール・・・22%
3.運動すること・・・37%
4.喫煙しないこと・・・35%


総死亡率を下げる効果があることが証明されました。

これら
1−4は、総死亡率以外にも、冠動脈疾患、心血管病、癌による死亡を同様に低下させました。

さらに、これらの4項目がすべてそろった場合には、総死亡率は65%低下していました。

この論文の結論としては、
”地中海ダイエットと、健康的なライフスタイルによって死亡率は50%以上減らすことができる”と述べられています。



さらに同じ号のJAMAの、この論文に続く次の論文も地中海ダイエットについての研究です。(JAMA 292, 1440-1446, 2004)

イタリアの大学病院で、”メタボリック・シンドローム”の診断を受けた180人の患者さんを90人づつの2つのグループに分け、一方には地中海ダイエットの指導(ホールグレイン、野菜、ナッツ、オリーブオイルの摂取を増やす)をして、他方には一般的な食事指導をしました。(メタボリック・シンドロームとは、肥満、高血糖、高脂血症、高血圧などを併せ持つ、心血管病のリスクが極めて高い状態です。)

 2年後に調べた結果、
地中海ダイエットのグループのほうが、

hs-CRP, IL-6, IL-7, IL-18 といった炎症のマーカーが低い
インスリン抵抗性の改善
血管内皮機能の改善


といった、好ましい状態になっていました。

研究開始から2年後に、まだ”メタボリック・シンドローム”と診断されたのは、地中海ダイエットグループでは40人、対照グループでは78人でした。つまり、地中海ダイエットによってメタボリックシンドロームが改善する、という事が証明されたわけです。

この論文は、前の論文の、地中海ダイエットによる死亡率や心血管病を減らす効果のメカニズムの一端を示している、といえそうです。


健康を維持する上で、食事の内容がいかに重要か、改めて認識させられます。




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