Q 心筋梗塞を防ぐ食事とライフスタイルとは?

A  2002年に、アメリカ心臓協会(AHA)のサーキュレーション誌の”現在の展望”欄に、エビデンスの基づく、心筋梗塞を予防するために必要な食事とライフスタイルに関する声明が出されました。(Circulation 105 893-898, 2002)

 今までに発表されてきた文化圏の異なる世界各地での研究の成果を踏まえて、以下のような勧告がされています。


もっとも重要なライフスタイルの要因は、

1.喫煙しないこと

2.飲酒するのであれば、適量にとどめる

3.一日に最低30分、中等度以上の運動(早足の歩行、自転車、ガーデニングなど)を毎日すること



もっとも重要な食事の要因は、

1.肥満しないようにエネルギーのバランスをとる(BMI 25 を超えないように)

2.飽和脂肪酸からのエネルギーを全体の10%未満にする

3.トランス脂肪酸からのエネルギーを全体の2%未満にする

4.脂肪の多い魚を週に最低1回食べること

5.1日に合計400g以上の野菜と果物を食べること

6.食塩の摂取を1日6g未満にすること




注:a)  BMI (body mass index) とは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数値で、日本人の場合22が標準です。

   b)  トランス(trans-)脂肪酸とは、油の加工の過程で生じる、炭素と水素の結合が自然の脂肪酸とは異なる物質です。自然に存在するシス(cis-)脂肪酸とは立体構造が異なります。
 液体状の油脂を固形化し、安定にする目的で水素を加えますが、そのときにトランス脂肪酸が発生します。マーガリンやショートニングに多く含まれるため、原材料にこれらを使っているクッキー、パン、スナック菓子などにも入っています。
 欧米諸国ではすでに規制が始まっており、アメリカのFDAでは食品中のトランス脂肪酸含有量の表示を義務付けました。しかし日本ではまだ規制されていません。
 トランス脂肪酸は血液中の悪玉(LDL)コレステロールを増やし、心血管病のリスクを増加させることがわかっています。
 バターは有害で、マーガリンはOK,と単純に割り切れるものではないわけです。油の加工品を食べるときには、トランス脂肪酸の含有量をチェックする必要がありそうです。

  c)  日本人は平均で1日あたり約13gの食塩を摂っているといわれます。ですからこの目標の6g未満というのは約半分に減らすくらいの感じですね。
   


これらの勧告を守れれば、70歳以下の心筋梗塞の大部分は防ぐことができる、と著者らは述べています。




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