Q 睡眠時無呼吸症候群は、ほうっておくとどうなりますか?治療法は?

A 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、眠っているときにのどの空気の通り道がふさがってしまうために呼吸が停止してしまう病気です。

 入眠→無呼吸→中途覚醒→呼吸再開→再睡眠  のサイクルを一晩のうちに何回も繰り返すため、深い睡眠ができず、患者さんは昼間に異常な眠気を感じます。仕事中の居眠りのために交通事故などの仕事上のトラブルを起こしやすいだけではなく、長期的には性格の変化、知性の低下、幻覚、性的不能などを起こすことも少なくありません。

 それに加えて、血液中の酸素が慢性的に不足するために、全身の臓器に低酸素による障害を与えます。

OSASの合併症

以下のような内科的疾患がSASに合併するといわれています。

1.高血圧 OSASの40−70%に高血圧が合併します。

2.肺高血圧 低酸素のために肺の血管がけいれんを起こし、肺動脈の圧が高くなります。進行すると心不全になります。

3.糖尿病 OSASの患者には糖尿病、高血糖を合併することが多いです。

4.脳卒中、心筋梗塞 OSAS患者は、夜間の異型狭心症発作の原因になることがあるだけではなく、脳梗塞、心筋梗塞のリスクを増やすことが知られています。

 
放置した場合、生命の予後が悪くなります。(死亡率が高くなります。)

Heらの報告によれば、無呼吸指数が20以上の中等度ー高度のOSAS患者の8年生存率は平均63%と、明らかに悪化していました。(Chest 94 9-14, 1988)


OSASの治療法

1.生活習慣の改善 減量、禁煙、アルコール制限、睡眠中の体位の工夫(横向きで寝るなど)によって無呼吸が軽減することがあります。

2.CPAP(シーパップ、持続陽圧呼吸療法) 現在OSAS治療の中心になっている治療法です。睡眠時に鼻マスクを介して持続的に空気を送り込むことにより、空気の通り道がふさがることを防ぎます。ほとんどのOSASの患者さんはCPAPで劇的に改善します。(昼間の眠気が全くなくなった、霧が晴れたように頭がすっきりした、体の疲れが取れた、など)
 CPAPは健康保険で認められた治療法です。CPAP装置はクリニックや病院から患者さんに貸し出しますが、患者さんには最低でも月に一度は通院していただく必要があります。CPAP療法に関する患者さんの自己負担は、一ヶ月あたり約5000円(3割負担の場合)です。
 CPAP治療によって患者さんの死亡率が明らかに下がった、というエビデンスがあります。

3.外科的治療 UPPP(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術)、扁桃、アデノイド除去手術など。

4.歯科装具 夜間、マウスピースを装着して下顎を前方に引き出すことによって空気の通り道を広げます。


 睡眠時無呼吸症候群は、ほうっておくと命にもかかわる重大な疾患です。しかし、適切な治療によって健康人とほとんど変わらない生活を送ることができますので、いびき、昼間の眠気などを感じている方はぜひ早めに専門医にご相談ください。(当院でもCPAP治療を行っています。)






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