Q 米政府による2005年版食事ガイドライン(Dietary Guidelines for Americans 2005)について。

A 1月12日にアメリカ合衆国政府が、2005年版の食事ガイドラインを発表しました。健康を維持していく上で必要な注意点をまとめたもので、肥満者が多いアメリカの国情に合わせて、カロリーをカットし、運動することによって体重を減らす、というところにかなりの重点が置かれている印象です。

 全文は相当なボリュームがありますので、要点だけを記載してみます。



体重の管理:徐々に体重が増加することを防ぐため、飲食によるカロリー摂取を少し減らし、身体活動を増やすこと。

身体的活動:健康的な体重を維持し、精神的な健康を高めるため、定期的な運動をする、また、座ってする活動を減らす。

一般的に、毎日成人30分以上、子供は45分以上の運動が推奨される。
肥満の防止のためには毎日60分以上、減量のためには毎日90分の運動が推奨される。


必要なカロリーの範囲内で適切な栄養を摂ること:多種類の栄養豊富な食物を適切なカロリーの範囲内で摂ること。飽和脂肪、トランス脂肪、コレステロール、砂糖、食塩、アルコールの摂取を控える。

推奨される食物のグループ:2000カロリーの食事を摂る場合、一日に2カップ分の果物と2.5カップ分の野菜を摂る。(摂取カロリーにより増減) 一日あたり9品目の野菜と果物を摂ることを推奨。3オンス(85グラム)以上のホールグレイン(全粒穀物)を摂る。一日あたり3カップ以上の無脂肪あるいは低脂肪の乳製品を摂る。

食品の安全:食中毒を避けるため、買い物中、調理中、保存中に、生の食材と調理後の品目を分別すること。

脂肪:飽和脂肪トランス脂肪を多く含む脂肪と油脂を避けること。また、そのような脂肪分の少ない食品を選ぶこと。

炭水化物:食物繊維を多く含む果物、野菜、ホールグレイン(全粒穀物)を多く摂る。

ナトリウム:一日あたり2,300mg(食塩小さじ1杯)以下のナトリウムを摂ること。

アルコール飲料:アルコール類を飲む人は、控えめに。女性は一日1杯以下、男性は一日2杯以下。


一日90分の運動とか、9品目の野菜と果物摂取(以前は5品目でした)とか、現実的にはかなり困難な項目があり、アメリカ国内でも物議をかもしているようです。ガイドラインはあくまでガイドラインであり、このとおりにしなければならないというようには考えなくていいと思います。

日本人に当てはめた場合でもこのガイドラインは重要な示唆を多く含んでいます。

野菜、果物、ホールグレインの重要性を強調している点、
乳脂肪を含む飽和脂肪と、トランス脂肪の害を明記した点、
身体活動の重要性についての記載、

は、ぜひとも注意したいところです。
 お米のホールグレインに相当するのは、玄米ですね。
 乳脂肪は、子供にとっては重要な栄養源ですが、大人にとっては動脈硬化の危険を増す有害なもの、と認識する必要があります。
 トランス脂肪に関しては、先進諸国ではすでに規制されています。日本では対策がまだ全くなされていませんが、植物油を固形化したもの、マーガリンやショートニングとそれらを使った製品はなるべく食べないようにする必要があります。
 運動の習慣が健康維持にきわめて大事であることは、2004年にJAMAに発表された論文の中でも、運動により総死亡率が37%低下する、という形で示されていました。
 
 脳卒中や心筋梗塞といった心血管病を予防するために、このガイドラインを参考にしてください。若年、中年のうちからの食事、生活習慣の改善が、数十年後の健康と生活の質に大きく役立ちます。











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