Q 去年インフルエンザにかかったのですが、今年ワクチンを接種したほうがいいですか?

A ウイルスによる感染症のなかで、はしかや風疹のように一度かかるとほぼ終生にわたる免疫を得られる病気がある一方、何回も繰り返しかかることのある病気も存在します。インフルエンザは後者のグループに属し、残念ながら前の年にかかったインフルエンザによる免疫は、次の年には効果がありません。

インフルエンザウイルス(A型)の遺伝子は非常に変異しやすいことがわかっています。ウイルスには、ヘマグルチニン(H)とノイラミニダーゼ(N)の二つの遺伝子にそれぞれ複数のタイプがあり、その組み合わせによって非常に多くのタイプのウイルスが発生する可能性があります。H1N1,H1N3,…といったように表記します。

毎年、流行するタイプが予想され、それに対するワクチンが秋口までに生産されて、主に10-11月に予防接種が行われます。

インフルエンザワクチンは、その年に流行するウイルスの型を科学者が予想し、その中から3種類のタイプ(株)を選んで、混合します。今年、2004年のシーズンのワクチンは、

A/ニューカレドニア/20/99(H1N1)
A/ワイオミング/3/2003(H3N2)
B/上海/361/2002

という3タイプのミックスです。

インフルエンザは多くの場合、1週間程度で治癒しますが、ハイリスク群に属する人では肺炎などの合併症を引き起こし、死に到ることもあるため、決してあなどれない病気です。ハイリスク群とは、

高齢者(65歳以上)
生後6ヶ月から23ヶ月の乳幼児
慢性の疾患(呼吸器、循環器、肝臓、腎臓の疾患や糖尿病など)を持つ人
妊娠中の女性


を指します。(米国National Library of Medicineによる)

ハイリスク群に属する人はぜひともワクチンで予防することが望まれます。

注:日本国内では、「妊婦または妊娠している可能性のある婦人には接種しないことを原則とし、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ接種すること」となっています。

ワクチン接種により血液中にインフルエンザウイルスに対する抗体を獲得しておけば、感染しても重症化することや合併症(脳症、Reye症候群、脳炎、突然死)を防ぐことができます。


インフルエンザの予防のためには、毎年秋に、その年流行するタイプに対するワクチンを接種する必要があります。高齢者、乳幼児、慢性の病気を持つ人はぜひとも予防接種を受けてください。


インフルエンザワクチンは、不活化ワクチン(死んだウイルス)なので、接種により発病することはありません。アメリカでは弱毒化した生きたウイルスのワクチン(LAIV)を鼻にスプレーする方式があり、これは軽いインフルエンザ症状を起こすことがあるといわれています。(日本では使われていません。)





Q&Aトップへ