Q 高血圧って、なぜ治療しなければいけないんですか?

A 「私は血圧が高いけど、何の自覚症状もないから平気です」とか、「昨日はちょっと頭が痛かったから血圧の薬を飲んだけど、今日はなんともないから飲んでいません」という患者さんがよくいらっしゃいます。 確かに、高血圧の症状として首や肩の張り、頭痛などは良く見かけます。治療によりこういった症状を治すことも大事です。しかし、

高血圧の治療の最も大事な目的は、血圧を正常にすることによって脳卒中や心筋梗塞といった心血管病の危険を減らすことなのです。

血圧が高いほど、血液が流れるときに血管の壁にかかる力が大きくなります。その結果、血管の壁にこぶができたり、壁が硬くなったり、といった動脈硬化が起こりやすくなります。そして長い年月の後に血管が詰まったり、破れたり、というトラブルが起こります。これが脳や心臓の血管におこると脳卒中、心筋梗塞になるわけです。

アメリカのフラミンガムで行われた大規模な疫学調査の結果、血圧が160/95以上の人は、140/90以下の人に比べて心筋梗塞を発症する率が男女とも約2.5倍になるということがわかりました。

日本では、久山町の住民を1961年から32年間追跡調査した研究が有名です。その結果、血圧120/80未満の人に比べて、140/90以上で脳梗塞の危険が増えはじめ、180/110以上ではなんと男性で約24倍、女性で約14倍になることが明らかになりました。

高血圧の患者さんは、もし放置すればそれだけのリスクを負って生活しなければなりません。適切な治療を受ければ、このリスクは減らすことができるのです。

日本高血圧学会による高血圧治療ガイドライン(2000年)によれば、降圧の目標は高齢者で140-160以下(年齢を考慮)/90未満、若年ー中年者、糖尿病患者では130/85未満となっています。

頭痛や肩こりのような目先の症状にとらわれず、10年、20年先のご自分の健康と生活の質のために、高血圧の適切な治療を受けてください。

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