Q リノール酸は体にいいのではないですか?

A 近年まで、ひまわり油や紅花油に多く含まれるリノール酸は、健康にいい、と考えられており、またそのようにPRされてきました。

ところが、最近になって、リノール酸を多く摂ると動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中を起こしやすくなることを示す証拠が次々に出てきました。
他方で、イワシやサバなどの魚に含まれているEPADHAなどの油を多く摂ると、逆に動脈硬化が防げるという証拠も出てきています。ナッツ類に多いα‐リノレン酸も同様に心血管病を減らすことがわかってきました。

それでは、なぜリノール酸を摂りすぎると健康に悪いのでしょうか?


ひまわり油、紅花サラダ油などに含まれるリノール酸は、n-6多価不飽和脂肪酸のひとつです。体内に吸収されてから次のように変化します。

            リノール酸 → γ‐リノレン酸 → アラキドン酸

このアラキドン酸が、ロイコトリエン、トロンボキサン、プロスタグランディンなど、炎症やアレルギー反応を起こす物質が作られるもとになる、大変な悪玉なのです。結果として、喘息やアトピー性皮膚炎を含むアレルギー性疾患や、動脈硬化による心筋梗塞や脳卒中、がんの発生を増やしてしまうリスクになってしまいます。
このため、過剰なリノール酸摂取はアラキドン酸を必要以上に増やしてしまうことを介して、さまざまな病気を増やしてしまうのです。


これに対して、代表的なn-3多価不飽和脂肪酸、すなわち

ナッツ類やシソ油に多く含まれるα‐リノレン酸
イワシやサンマなどの背の青い魚類に多く含まれるEPA, DHA

は動脈硬化を予防し、血管の柔らかさを保ち、脳卒中や心筋梗塞を防ぐ、さらには喘息やアトピーを改善する効果が示されています。

これらは体内で次のように代謝されます。

            α‐リノレン酸  EPA  DHA

これらの物質には、血栓が出来るのを予防する効果、悪玉コレステロールや中性脂肪を下げる効果のほか、アラキドン酸から作られる炎症を引き起こす物質の産生を押さえる働きがあるのです。

健康のため、リノール酸に代表されるn-6多価不飽和脂肪酸を摂ることは出来るだけ控え、α‐リノレン酸、EPA, DHAなどのn-3多価不飽和脂肪酸を積極的に摂りましょう。

また、オリーブオイルのようなオレイン酸を多く含む油も積極的に摂ってください。アメリカのFDAが次のような声明を出しています。(オリーブオイルによる心筋梗塞予防効果)

”Limited and not conclusive scientific evidence suggests that eating about two tablespoons (23grams) of olive oil daily may reduce the risk of coronary heart disease due to the monounsaturated fat in olive oil. To achieve this possible benefit, olive oil is to replace a similar amount of saturated fat and not increase the total number of calories you eat in a day.


”(限られた、まだ決定的ではない)科学的な根拠によれば、一日に大さじ2杯(23グラム)のオリーブオイルを食べると、冠動脈疾患のリスクが低下することが示唆される。これはオリーブオイルに含まれる1価不飽和脂肪酸による作用である。この有益性を得るためには、オリーブオイルは同じくらいの量の飽和脂肪酸と交換して摂られるべきで、一日の総カロリーを増やしてはいけない”








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