地中海沿岸の国々、ギリシャやイタリアを旅すると、陽当たりのいいなだらかな山の斜面に一面のオリーブ畑が広がっている光景を目にします。

 地中海地方での最も大切な食材のひとつがこの
オリーブの実と,それから採られるオリーブオイルです。オリーブはもともと地中海地方原産のモクセイ科の常緑高木です。

 雨が少なく、暖かいこの地方の気候に適しているだけでなく、比較的やせた荒地のような場所でも丈夫に育ち、土地の人々に大切にされて多くの木が育ってきました。旧約聖書にも登場するほど、古くからこの地域の人々の生活に重要なものでした。

 その実は約20−35%の脂肪分を含んでいるため、実を圧搾することによって良質な植物油、
オリーブオイルが得られます。また、その実をピクルスにして楽しむこともポピュラーです。最近は日本でも花屋さんやレストランの店先にオリーブの木の鉢植えを置いてあるのをよく見かけますね。鮮やかな緑色の細長い小さな葉と、丸くかわいらしい果実のコントラストが見る人の目を楽しませます。

オリーブの木には20以上の品種があり、木の高さは3メートルから、大きいものでは18メートルにも達します。

 春に花を咲かせた後にできる小さな実は次第に大きくなり、地域によって異なりますが、10月から1月の間に熟して収穫されます。

 実の形は丸いものから、細長いもの、バナナ形に曲がったものなどさまざまです。若い実は
緑色ですが、熟すにつれて赤みがかった茶色黒色に変わっていきます。

 若い木が実をつけ、収穫できるようになるまでに10−15年かかるといわれます。また、面白いことに、
オリーブの木は1本だけでは実をつけることができません。種類の異なる木が2本以上近くにあって、初めて実がなるのです。

1本のオリーブの木は平均的には毎年数10キロの実をつけますが、最高1本で800キロの実をつけた木もあるといわれます。

 世界中で1年間に約17億5000万リットル!の
オリーブオイルが作られています。

 その中でも1億9000万本の
オリーブの木が国内にあるといわれるスペインが最も多く、全世界の約30%の生産量です。イタリアが約24%、その後にギリシャ、ポルトガル、チュニジア、トルコ、シリア、と続きます。

 大まかに言って、世界中の
オリーブオイルの約6割がヨーロッパ(EU圏内)で作られています。

 地中海地方では食用にする油の大半がこの
オリーブオイルだといわれています。そして、そのかわり、バターやクリーム、ラードなど、動物性脂肪の消費が少ないのです。

 フランス人は平均で1人あたり年間数キログラムの
オリーブオイルを食べます。地中海地方の中でももっとも多くオリーブオイルを消費するギリシャでは、1人当たり年間になんと15キログラムです!

 地中海地方以外では、消費量はずっと少ないといわれます。


                                     つづく…

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