植物の恵み、ファイトケミカル

 
 スペインでは、
オリーブオイルと、オリーブオイルと同程度にオレイン酸が豊富なひまわり油を比較した研究が行なわれました。(Journal of Hypertension 14 1483-1490, 1996)

 高血圧の女性16人を対象にして、4週間ずつ
オリーブオイル、またはひまわり油のどちらか一方を食事に加えて食べてもらい、4週間のウォッシュアウト(洗い出し)期間をおいてから、他方の油を4週間ずつ食事に加えて食べてもらう、というクロスオーバー法のデザインでおこなわれた研究です。

 両方の期間に血液の細胞膜に含まれる脂質を調べるのと同時に、血圧の変化も測定しました。その結果、ひまわり油を摂ったグループでは血圧が変化しなかったのに対して、オリーブオイルでは収縮期、拡張期血圧(血圧の上の値と下の値)ともに約8mm
Hgの低下作用が見られたのです。

 8mm
Hg といえば、病院でよく使われる降圧薬に匹敵するくらいのの効果です。


 オリーブオイル自体に血圧降下作用がある
ことが示されました。

別の研究では、健康な人達にオリーブオイルか、同じ程度にオレイン酸が豊富なひまわり油を摂ってもらい、体内のLDLの酸化されやすさを比較しました(酸化されたLDLがもっとも危険な悪玉でしたね)

 
その結果、オリーブオイルを摂った人たちのほうが体内のLDLが酸化されにくくなっている事がわかりました。(Annals of Nutrition and Metabolism 42 251-260, 1998)  

 つまり、
オリーブオイルのほうがより強く動脈硬化を予防するということが裏付けられたのです。

これらの結果から、オリーブオイルの心血管疾患予防効果はオレイン酸が豊富であるということだけでは説明しきれないということがわかってきました。

 
オレイン酸プラスアルファの成分がなければ、オリーブオイルが、同等にオレイン酸が豊富なひまわり油よりも優れているはずがないのです。

最近、このプラスアルファが、オリーブオイルに含まれるファイトケミカルであることがわかってきました。


 
ファイトケミカル、Phytochemicals, という言葉は、植物、を意味する phyto- と、化学物質、という意味の chemicals が結びついた言葉で、植物に由来する化学物質という意味ですが、中でも人体に有用な抗酸化作用や抗癌作用などを持つ物質を特に指して使われます。

 よく知られている
ファイトケミカルとしては、緑黄色野菜に含まれるカロテノイド、トマトに含まれるリコピン、お茶に含まれるカテキン、大豆に含まれるイソフラボン、サポニン、ニンニクに多い硫化アリルなどがあります。

 これらの物質が癌の予防や治療に有効であるというエビデンスが次第に集ってきています。

 また、これらの物質はサプリメントとして精製された錠剤やカプセルで摂るよりも、食品から摂ったほうがより有効であるということもわかってきました。

 では、
オリーブオイルにはどのようなファイトケミカルが含まれているのでしょうか?


                                        つづく…




オリーブの話 トップへ