Q 肺炎を予防するワクチンがあると聞いたのですが?

A お年寄りにとって、肺炎は危険な病気です。体の抵抗力と予備能が落ちている状態では、急激に病状が進み、抗生物質の治療にもかかわらず、致命的になってしまうことが少なくありません。

若年ー中年者でも、慢性の心疾患呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病糖尿病を持っている人は、肺炎が急速に進行して重症化してしまう危険があります。

健康な人が日常生活の中でかかる肺炎(市中肺炎)のうち、3-4割が肺炎球菌によるものです。

特に冬場、インフルエンザが流行する時期には、全肺炎の中の5割以上が肺炎球菌性のものという報告もされています。

肺炎球菌によって起こる肺炎は、重症化することが多く、また抗生物質が効きにくい菌が増えてきているため、治療が難しくなってきています。

肺炎球菌とは…多くの人の鼻やのどに住みついている常在菌です。健康な状態では、菌が住みついていても特に害を生じませんが、抵抗力が落ちたときに菌が肺に入り込んで肺炎を起こします。そのため、お年寄りや慢性の持病を持つ人が、かぜやインフルエンザにかかる事をきっかけとして肺炎球菌性肺炎を起こすことが多いのです。

いったん起こしてしまうと重症になり、致命的になってしまうことが多い肺炎球菌性肺炎は、ぜひとも予防するべきです。



幸いなことに、肺炎球菌性肺炎を予防できるワクチンがあります。



肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌性肺炎の約80%を予防できるといわれています。

スウェーデンで行われた大規模臨床研究では、65歳以上の高齢者のうち、肺炎球菌ワクチンを接種した約10万人の肺炎による死亡率は、接種しなかった約16万人に比べて約43%にまで低下していました。

また、65歳以上でCOPDの患者さんに限ると、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの療法を接種することにより死亡率が5分の1にまで低下したという報告もされています。

アメリカでは高齢者の約半数が肺炎球菌ワクチンの接種を受けています。

次のような人には、肺炎球菌ワクチン接種を受けることを強くお勧めします。

1.65歳以上の人
2.慢性の心臓病をお持ちの人
3.慢性の呼吸器病をお持ちの人
4.腎臓病、肝臓病をお持ちの人
5.糖尿病をお持ちの人
6.脾臓を摘出した人



1回のワクチン接種で約5-8年免疫が持続すると言われています。

インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの両方を接種することが推奨されますが、その場合両方のワクチンは1週間以上あけて接種します。

死亡率を下げるエビデンスがある肺炎球菌ワクチン接種をぜひとも受けてください。





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