Q 赤ワインが健康にいいって、本当ですか?

A  本当です。 

 以前から、フレンチ パラドックス(フランスの心筋梗塞死亡率が北ヨーロッパ諸国やアメリカと比べて非常に低い現象)の理由として、フランスで大量に飲まれている赤ワインの関与が疑われていました。

 2002年、アメリカ心臓協会(AHA)学術誌の”サーキュレーション”に、ワインと心血管病の危険の関係についての20万人以上を対象にしたメタアナリシス(複数の論文の成績を総合的に分析しなおす研究)の結果が発表されました。 (Circulation 105 2836-2844, 2002)

 1980年から2001年の間に発表された、ワインの消費と心筋梗塞や脳卒中の関係について書かれた13本の論文を対象にしています。

 この中で、ただ1本を除くすべての論文が、ワインに心血管病のリスクを低下させる作用がある、あるいはその傾向がある、という結論を出していました。




 上図で左側に論文の著者名と発表年度が書いてあります。X軸上でのところが、ワインを飲む人と飲まない人のリスクが同等である、という点です。左へ行くほどワインの予防効果が強く出ているという結果になっています。ほとんどの論文で四角のマークが左側に寄っていますね。

 一番下にこのメタアナリシスの結論が出ています(Overallというところです)。

 ワインを日常的に飲む人の心筋梗塞や脳卒中の危険は、飲まない人よりも約32%低い、という結論が導き出されました。

 AHAでは2001年に、"Wine and Your Heart", ”ワインとあなたの心臓”という勧告を出しています。

 この中では、少量から中等量(1日1-2杯、アルコール量にして60ml以下)のアルコール飲料、特にワインは心血管病の危険を減らす、ということを確立した事実として認めつつも、

(1)長期的なアルコール摂取は血圧を上昇させること
(2)女性では大量(1日50g以上)のアルコール摂取により乳癌のリスクが増えること
(3)大量(1日60g以上)のアルコールで脳出血、くも膜下出血のリスクが増えること

 から、予防目的で無条件にワインを勧めることはせず、医師と相談の上決定すること、と結論付けています。

 イギリスのSwindonにあるGreat Western Hospital の心臓外科のウイリアム マクレア医師のグループが、心臓病で入院中の患者さんに毎日グラス2杯の赤ワインを出す試みを開始しています。

 今後の治療成績の報告が待たれます。

 一日にグラス1−2杯の赤ワインは、心筋梗塞や脳卒中を予防します。

 ただし、糖尿病、肝臓病、腎臓病、心臓病をお持ちの方は医師に相談してください。
 妊娠中、あるいは近いうちに妊娠する予定の方はアルコールは避けてください。
 未成年の飲酒が許されないことはいうまでもありません。




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